平成20年度入試について
過去3年の秋田県公立高校入試の平均点は下記のとおりになっています。ここ数年はずっと低下傾向が続き、特に19年度は、5教科入試を導入した昭和56年度以降過去最低の点数で、20年度はそれに次ぐ低い点数となっています。
国語 数学 英語 理科 社会 合計
平成18年度 55.1 48.5 50.0 60.8 57.3 271.7
平成19年度 58.8 44.4 52.1 47.2 53.1 255.6
平成20年度 53.6 49.4 62.6 54.3 50.8 270.7
秋田県教育庁高校教育課は、19年度入試平均点が過去最低だったことに対して、「今回の結果について、即、学力低下とは判断できない。特に内容が難しいわけではないので、中学校では総合的な能力を身に付ける指導が求められる。」と述べています。これは問題のレベルが難しすぎたということではなく、中学校の指導のほうに問題があったのだという意味にも解釈できます。したがって今後の高校入試でもその問題内容のレベルが簡単になることは考えにくく、これからも同じような傾向が続くと推察されます。
入試問題と教科書内容とのレベルのギャップについて
2002年度の学習指導要領の改訂により、教科書の内容はそれまでに比べ3割削減されました。さらにゆとり教育をすすめるあまり、その学習内容の中身も薄っぺらになり、問題演習でもほとんど基礎的なものしか扱わなくなってしまいました。
平均点が下がっている原因は、入試問題のレベルが極端に上がっているからというわけではありません。実を言えば、入試の難易度は、秋田県の高校入試の平均点が300点前後であった頃と、あまり変わっていません。(どちらかといえば、その頃のほうが難しかったような気がします。)
教科書の内容がゆとり教育で簡単になる反面、入試のレベルは昔のままなのです。このため教科書の学習内容と入試問題の難易度の差が広がってしまい、受験生にとっては難しいと感じられる試験になっているのです。
このような大きなギャップがあるということは、教科書だけ勉強していても、入試問題を完璧に解くことは難しいということを意味しています。教科書だけの勉強では、8割ちょっとの得点がせいぜいです。上位校を目指すのであれば、それ以上の学習が必要となります。事実、秋田県トップ校の秋田高校の今年度のボーダーラインが、500点中400点程度しかなかったといわれていることからも、いかに受験生が、入試の難しさに手を焼いたかがうかがえます。
特に、その傾向は英語,数学で顕著に表れています。英語はそのほとんどが長文問題です。教科書には会話中心の単元がかなりあり、学校の授業も英会話に時間をかけるため、リーディング,ライティングの学習時間がかなり減っています。そのため、長文読解,単語書き取り,英文作成などはあまり身についていない生徒がほとんどです。
数学は5教科のなかで最も難易度が高い教科です。「規則性の問題」は必出で、これは教科書には単元としてはないタイプの問題です。「一次関数の応用」は中2の単元ですが、学校では数問のみ応用的問題の演習をやって、それで終了する場合がほとんどです。「図形の総合問題」は中3の最後の単元である「相似」と「三平方の定理」の応用的問題のため、その実践練習をする時間的余裕はほとんどありません。
また、理科,社会も知識のみを問う問題ばかりではなく、記述問題や資料読み取りなどの問題も増えています。自然の事物・現象について科学的に考察する力や社会的事象に興味・関心を持ち、さまざまな資料から考察したことをまとめて適切に表現する力などが大切になってきています。
入試目標点について
教科書で学習する以上の内容が、入試に出題されてしまうという現在の状況では、学校のテストで取った点数が、そのまま入試の得点に直結するというのはありえない話しです。
学校でおこなわれている総合テスト,定期テストは基本問題ばかりで、入試の難しさはその比ではありません。また、中3で実施される実力テストといえども、入試よりは解きやすく簡単な内容になっています。事実、今年度の入試でもふだん実力テストで取っていた点数よりも、ほとんどの受験生が40点~50点以上下回った得点しか取ることが出来ませんでした。
したがって「学校のテストで△点取ったから、入試では×点取れて○○高校に入れる」というような考えは危険です。テストが終わったあと、点数に一喜一憂するのではなく、つねに平均点との差をみて、全体の中で自分がどのくらいの位置にいるかということで、志望校を考えるようにしてください。
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